ガーデンリフォーム工事施工事例集
リフォームされたお庭が新生活を華やかに彩る〜奥村様邸〜
既存物を極力壊さないデザインで生活空間を一新
中古住宅を買われてから気づく欠点、お悩みは常ですが、今回は玄関前の水はけの悪さが奥村様の一番のお悩みでした。既存のアプローチを解体、し緩やかなスロープを造作して水はけの問題を解決。次いでお住まいの外観から逆算したデザインウォールや床面を仕上げて機能的かつ意匠性にあふれたアプローチをデザインしました。
お住まいと道路境界がとても近いため、窓を全開にするのも憚られます。高い壁を窓の前に立たせればプライバシーは守られますが、それでは圧迫感は拭えません。ですので掃き出し窓の前にシンボルツリーと太めのウッドポールを用意し、道路側からの視線のアイストップとしました。右側を起点にウッドポールが低くなっているのは、空間にメリハリを生むとともに圧迫感を軽減する働きがあります。
水はけの悪さの対策として、土の面を残さないよう乱形石で床面を彩りました。傾斜をちゃんと道路側に向けて造作してあるので、雨水は敷地内に溜まることはもうありません。お庭の方は緑を残すべく、既存の芝生を活かしてあります。
中古住宅街で最近目立ってきた問題として、古くなった万年塀があります。コンクリート製なので耐久性は十分ですが、経年による汚れなどはどうしても付いてきます。加えて大抵の場合隣地境界線状にあるために勝手に取り壊すこともできません。ですので今回は気になる場所を隙間のないウッドフェンスで全て覆い、一気に問題を解決しました。フェンスは木目調の金物なので、時間が経っても色落ちの心配はありません。
屋根から流れる雨水処理もされていなかったので、配水管を立水栓の水受けに向けて延長し、雨水の排水も兼ねた水回りにしました。立水栓は二口タイプをチョイスしたので、植栽の水やりの時のホースを常時付けていても問題ありませんね。
夜を照らす光が坪庭をよりエキゾチックに
夜になり窓から漏れる光がウッドポールに当たり、道路側から見るとリズミカルな影が踊っているかのようです。夜間は道路に近い分不安が生まれますが、道路と窓の間にひとつ構造物があるだけで安心感があります。木目で彩られた坪庭への細い通路も、夜になるとしっとりとした雰囲気へと表情を変えます。木々が風に揺れ光とともに踊る様は、とても幻想的ですね。木目調のフェンスに植栽のシルエットがくっきりと浮かび上がります。和室からの眺めのために坪庭をつくったと言っても過言ではありません。窓からの眺めは荘厳な日本の美を感じさせます。落葉樹の紅葉は新緑から落葉まで様々な表情を見せ、窓を開けるたびに季節の移ろいを感じさせてくれるでしょう。
癒樹工房さんの事務所を訪れたのが2月の初め。それからたった3ヶ月あまりで、毎日家に帰るのが楽しくなるようなエクステリアと坪庭を手に入れることができました。
5年前に購入した中古住宅に住み始めて、初めて気がついたこと。それは玄関前の「水はけ」の悪さでした。夜中に雨が降ると、朝にはスロープの雨水が溢れ、歩くのもままなりません。また、家そのものは気に入って購入したのですが、外構が全くなく、玄関前のエントランスが欲しいと思うようになりました。
打ち合わせを重ねる中で、無理だと思っていたことに次々と解決策を出していただきました。塀をカーブさせたいだとか、スロープを緩やかにしたいだとか。加えて、坪庭を作ることを提案していただきました。
すっかりその気になり、木々の種類からライトの位置まで細々とお願いしてしまいましたが、一つ一つ丁寧に考えてくださり、実現して下さいました。前回の打ち合わせを全否定するようなわがままな提案にも、根気よく、そして熱心にお付き合い頂いたこと。あくまでユーザー目線で、同じ立ち位置で様々なアイディアを考えていただいたこと。心より感謝しております。
出来上がった玄関前と坪庭を見て、これから先10年、20年と続くであろう楽しみを与えていただいたことを実感しております。
秋の紅葉の時期に、ライトアップされた木々を眺めながら一献する瞬間を、今か今かと待ち望んでいる次第です。
そして何より、娘の「気に入らないところが見当たらない」の一言に、癒樹工房さんに出会えたことの喜びを感じております。
本当にありがとうございました。
奥村