オープンすぎて使いにくかった外構がポリカパネルで劇的に変身！

角地に佇む川岡様邸は周囲に遮る建物も少なく、光や風に恵まれた立地にあります。ただ外構は塀やフェンスで囲まない、いわゆる「オープン外構」。それだけに建物の外壁や玄関はむき出しの状態で、どこか無防備に見えるだけでなく、玄関まわりも丸見えになるため、視線も常に気になります。室内と屋外の障壁がほとんど無いため、愛犬のワンちゃんがドアを開けた途端に外へ飛び出してしまったことも。さらに、家の顔ともいえる正面部分も、機能門柱だけがぽつんと立つ、ちょっとインパクトに欠けるデザイン。何かが足りない、どこか使いづらい、そんなストレスが付きまとっていたようです。
このお悩みを解決すべく行ったのが、セミクローズド外構へのリガーデン。まずは最も課題だった玄関ポーチを前面道路の境界線ギリギリまで広げ、使いやすく拡張。その周囲を半透明のパネルでぐるりと囲んで目隠しを施しました。
カラーにはクリアマット色をチョイス。内部は驚くほど明るいのに、足元はうっすらと見える程度、という擦りガラス調ならではのメリットが生きています。パネルは１ｍほどの高さですが、道路からポーチまでは80㎝ほどの高低差があり、下から見上げると腰ほどの高さまでの目線をさりげなくカットできるのです。すべてを隠すのではなく、高低差を利用したり素材の利点を活かしたりすることで、上手に光を採り入れた爽やかで安心感のある玄関まわりが誕生しました。

デッドスペースを有効活用して生まれた駐輪スペース

もう一か所、今回の外構リフォームで川岡様邸に新たに生まれたのが駐輪スペースです。今まで自転車は決まった駐輪場所が無く、玄関前のちょっとした区画に1台分を置くだけの状態でした。
そこで行ったのが、使われていない玄関のすぐ隣の北面敷地の有効活用です。建物の北側は今まで砂利を敷いただけのいわゆるデッドスペース。建物の外壁もむき出しになっていたため、オープンすぎて心もとないような状態でした。
この玄関脇という動線上も便利な立地を生かすには、まずは自転車を入れやすいよう床のレベルを建物のGL（グランドレベル）から、道路のレベルにまで下げる必要があります。そこで、既存の擁壁ブロックは撤去し、駐輪位置は土を掘削した上でコンクリートで舗装。但し、それだけでは駐輪した自転車が丸見えになってしまうだけでなく、風雨も凌げません。あからさまに自転車が見えないよう、道路側に内部が見えない高さの塀を這わせ、上部にはサイクルポート（屋根）も設置しました。
その限られたスペースの中に美しく収まった姿は、まるで最初から備わっていたかのよう！コンパクトなサイズ感とシンプルなデザインが特色のネスカFミニ（リクシル）の特色が、余すことなく活かされています。

雨も視線も遮ってくれる屋根・壁に囲まれた空間は収納スペースにも

約2台分の自転車を余裕を持って停められるようになった駐輪スペース。出入口には片開きの門扉も設置し、二重の安心感が生まれました。雨に濡れにくく、もちろん外部から気軽に侵入できないという屋外空間は意外と重宝するもの。風雨は凌ぎつつも屋外に保存したいアウトドア用品や園芸ツールなどの収納場所としても活躍しそうです。内部にはライトも設置したため、夜間の出入りにも便利なだけでなく、不審者への抑止力になることは間違いありません。
塀は若干の高さがありますが、２か所のスリットからの光が入ることで圧迫感を軽減。ナチュラルな風合いのタイルがお住まいの外壁にもやさしく溶け込んでいます。

それぞれのやわらかな色味や素材が生み出す一体感と印象的な外構

玄関ポーチの正面には、新たに両開き門扉や門柱を配置。それまでは印象に残りにくい機能門柱が立つだけの外観だっただけに、生まれ変わったスタイリッシュな門まわりはインパクトに溢れ、街並みにも美しく映えています。
淡いグレーの杉板を模したタイル「セラウォール」による外観は品格を漂わせ、ポーチのポリカパネルとも調和して、建物との一体感を生み出します。そのやわらかな色調にスパイスを与えているのがアイアン調門扉やサインの黒。ふんわりとした輪郭を、強い色味がグッと引き締めます。