ガーデンリフォーム工事施工事例集
落ち着きと癒しを感じられるジャパニーズモダンエクステリア〜大門様邸〜
Gスクリーンが生み出す落ち着きのあるエクステリア空間
周囲に家が建ち並び、大門様邸のお住まいは住宅に囲まれるようになっていきました。その中で大門様が気にされていたのは周囲の視線。住宅が密集しているとプライバシーの保護が難しく、中には引っ越してから窓もカーテンも閉めたまま…という方もいらっしゃいます。リビングの窓とお隣さんの窓が向かい合っていると窓を開けづらく感じるものです。そのような状態での生活は窮屈になってしまいます。
しかしプライバシーが守られた空間になれば心からくつろぐことができます。大門様邸では周囲の視線を気にすることなく、お孫さんと遊べるガーデンスペースにしたいというご要望を叶えるエクステリアをデザインしました。周囲の家の生活空間と面している部分にはLIXILのGスクリーンという商品を使用。Gスクリーンは視線をカットしたい位置にクリアマットのパネルを取り付けることができます。視線が気にならない上部や下部にはパネルを付けないようにすることで、ガーデンスペースへの風の通り道を確保します。またGスクリーンはガーデンスペースに影をつくることなく光を取り込むことが可能です。囲われていることによる安心感と開放感の両方が得られます。
さらにガーデンスペースを居心地の良い空間にするのはタイル貼りのテラスです。テラスにはLIXILのスピーネというテラス屋根を設置。室内の延長のように使うことができ、お孫さんとガーデンスペースでのんびりと過ごすことができるでしょう。またテラス屋根があることで洗濯物を干すこともでき、有用なスペースとして活躍すること間違いなしです。
和テイストと現代テイストが融合したエクステリア
Gスクリーンやタイルテラスなど“洋”を感じさせるアイテムの中にサビ色が美しい天然石で立水栓を造作し、“和”のテイストをプラスしました。日本人が古くから愛してきた天然の素材は心地よさを与え、くつろいだ気持ちにさせてくれます。また水受けも既製品ではなく、ピンコロ石を使って造作。お孫さんも使いやすい高さに設定しています。そしてこの水受けと繋がるようにピンコロ石で植栽スペースをつくりました。花壇はピンコロ石で区切ることでお花や野菜など目的に応じて植物を育てることができます。夜は植栽の影がGスクリーンに映り、昼間とは表情の違う上質な時間が流れます。自然の安らぎを感じられるガーデンスペースになりました。和の趣が醸し出す落ち着きと現代風のテイストが融合したエクステリアです。
郊外の分譲住宅をミサワホームで建て替えてから早いもので十年余りが経った。
その時は予算の関係から玄関周りと駐車場を整備し、小さな庭にはウッドデッキを設置した。その間、分譲時に植えられていた樹木の他に園芸店で購入した樹木を植えたり、DIYで花壇を設置したりした。家の周囲には防草シートを敷き、砂利を撒いた。周囲の家も家を建て替えた。急になりだしたのはプライバシーが守られなくなったという現実である。東側には庭に面した大きな窓の家になり、南側の家は、北側に設けた窓から我が家のリビングが丸見えとなった。
そこでリ・ガーデンを考えるようになり、ネットで見つけた癒樹工房にパンフレットを送って貰うように依頼した。届いたパンフレットは殆ど前頁が写真で構成された本であった。
中身も洗練されたデザインであり、何百万円もの予算を注ぎ込んだ庭が多かった。
これはちょっと無理だなと諦めてしまった。
それから一年程経って、思い切って癒樹工房に電話し、二回目の打ち合わせでガーデンコンサルタントの小林さんを紹介され、デザインを依頼することになった。
依頼する立場から重要だと思ったのは、優先順位を決めておくことである。潤沢に資金がある人はそう多くはない。限られた予算で契約するので、優先順位の高いものから絵に残し、低いものは諦めることである。参考までに我が家の場合は、1.南と東にプラスGで目隠しを設置する。2.将来に備えて一階のテラスにテラス屋根を設置する。3.花壇は樹木の剪定や雑草のことを考慮し、最小限度にする。4.テラスを花壇の間は人工芝を設置する。5.アクセントとして自然石を用いた立て水栓を設置する。6.家の周囲は化粧砂利を敷き、防犯対策と雑草対策をする。7.プラスG以外は低い目隠しフェンスを設置する。8.庭全体を土盛りしてリビングから室内と庭が一体化して見えるようにする。
この優先順位に掲げた項目は私の提案もあるが、コンサルタントの小林さんから提案され絵にかかれたものである。何回かの打合せを重ねたが、予算内に収まり切れず、そこで7.8はカットしてもらった。理由は元々我が家はオープン外構なので、バランスを考慮したこと。建物内はバリアフリーなので、土盛りすると玄関から庭に出る処でステップを付けなければならないのと、塀は共有物なので手前にブロック積をしたくないのが理由であった。項目を減らしても予算オーバーに変わりなかった。小林さんさんから予算内に収めるため例えば花壇の縁取りを自然石からピンコロに変更するなど、また私の方から大小十数本ある樹木の伐採・伐根・物置の移動・ウッドデッキの解体を自ら行うという提案をした。これでやっと予算的にokとなり契約の運びとなった。
着工までの間、樹木の伐採・伐根とウッドデッキの解体を自ら行ったが、残暑厳しい九月、妻にも手伝ってもらい汗まみれになって行った。他人様には薦められない作業であった。十月に入って外構工事が着手した。職方の土屋さんは職人気質なのか口数は少なく黙々と作業していた。約1ヶ月掛かって外構工事が竣工した。
今回の我が家のリ・ガーデンは小林さんのデザイン力と土屋さんの確かな技術力、そして私たち家族の無謀とも言える自助努力が三位一体となった結果、完成した庭だと思っている。毎日庭を眺める度に癒しと愉しみを与えて頂いた小林さんと土屋さんに感謝したい。
大門 英世