スライド門扉
一時代前に多く見られたクローズドエクステリアでは門扉は必須アイテムでした。近年は欧米で多く見られるオープンタイプのエクステリアが増えつつあり、門扉をつけない方も。
都市部では、前面の道路から玄関までの距離が短く、圧迫感を感じるので門扉を付けないという選択をされる方もいらっしゃいます。しかし意外かもしれませんが狭小地こそ門扉が必要なのです。門扉があるのとないのとでは、生活にも気持ちにも大きな影響を及ぼします。
門扉を設置しないことの弊害とは?
門扉を付けないことで後悔したという声を多く聞きます。なぜでしょうか?
門扉がないことで、心理的に不安に感じる方が多いようです。例えば、ご近隣の方を訪ねて来られた方が、自宅の敷地内に入って駐車されたり、玄関前で話し込まれたり・・・プライベートな空間に入り込まれているかのようで、良い気持ちにはなれないですね。やめて欲しいけど、言いにくいなぁと思って躊躇することも。それはプライベートな空間とパブリックな空間が不明確なために起こることなのです。道路から玄関までの距離がない場合、その心理的な負担は大きくなります。門扉によって敷地の内外を明確にすることで解決できることも多くあるのです。門扉があることで、道路のパブリックスペースとプライベートスペースの区別がつくことで、プライバシーが保護され、安心感を抱くことができます。
しかし門扉を付けたいけど、玄関前にスペースがないという場合もありますね。そのような場合にはスライド門扉を設置することをオススメします。
DESIGN POINT 2狭小地にも対応可能なスライド門扉とは?そのメリットとは?
よく見かける開き戸とは違い、横方向に開閉する門扉です。
スライド門扉の最大のメリットは、開き戸タイプのように扉の開閉のためのスペースを設けなくてもいいという所です。開き戸タイプの門扉は通常敷地内に向かって開く「内開きタイプ」なので、扉の開閉のためにある程度のスペースを確保する必要があります。この場合、道路と玄関の距離が短いお宅では開き戸タイプを設置してしまうと、かえって生活しづらい環境になってしまいます。
その点、引き戸タイプの門扉ならば、スライドさせるための最小のスペースで門扉の開閉ができます。アプローチが短く、奥行きがない敷地でもスライド門扉ならほとんどの立地条件のもとで設置可能です。
かつてのスライド門扉は、レールを敷き、開閉することが主流でしたが、レール部分に段差があり、車椅子や自転車での通行がしにくいこともしばしば。また扉を引き込むためのスペースにもレールを設置しなければならず、引き込みスペースがないと設置が難しい場合もありました。
しかし、最近ではレールがないものやフラットなレールのものなど出入りのしやすさを追求した商品も開発されています。レールが不要なタイプのスライド門扉は、扉を引き込む部分に、下草などの植物を植えればファサードが明るく柔らかな印象に変化します。
段差がないので、足が不自由な方やお子様もつまずきにくくなります。スライド門扉は開けたままにしやすいので車椅子や自転車、ベビーカーでの移動しやすく、買い物などで荷物を持っている時もスムーズな歩行が可能です。取っ手部分も種類がありますので、操作性などを考えて選ぶと良いでしょう。
またスライド門扉は人の動線部分だけでなく、お車のゲートとしても使用でき、重厚な雰囲気を醸し出します。その場合には電動で開閉できるものを採用すると、雨の日も車から降りることなく出し入れができるでしょう。
さらにデザイン性にも優れ、目隠し効果のあるものや、格子やメッシュを取り入れたデザインで開放的な空間を演出する門扉など、お客様のニーズに合わせて選択できるのも魅力。
木目調のデザインや、採光性を確保したポリカーボネート板やガラスを合わせたものなどがあり、様々なデザインの住宅とマッチします。
また施錠も可能で、セキュリティー面でも安心です。ピッキング対策を施した鍵を採用すれば、さらに防犯性もアップ。
玄関は施錠しても門扉は施錠しないお宅もあります。敷地内に不審者を立ち入らせないようにするため、門扉を施錠することは重要と分かっていても、朝の忙しい時や疲れて帰宅された時、鞄の中をゴソゴソ探して、鍵を出すのが面倒ということがあるようです。
そんな面倒を解決したのが、カードキーやスマートフォンとの連動機能です。お住まいの玄関ドアと同じキーシステムを搭載した門扉も発売されています。一つの鍵で門扉も玄関も施錠・解錠できるので、何個も鍵を持ち歩く必要がなくなります。
門扉は生活の質を向上させると共に、セキュリティー性をアップさせ、安心感をもたらしてくれるアイテムです。玄関までのアプローチ短くても諦める必要はありません。スライド門扉なら限られた敷地でも設置でき、敷地を有効活用することができるでしょう。