新築エクステリア工事施工事例集
バリアフリーとアーバンデザインを融合させたセミクローズエクステリア〜杉山様邸〜
DESIGN POINT 1
使い易さとカッコよさが融合したバリアフリーファサード
ご家族の介護のためにご新築を建てられたお客様からエクステリア工事のご依頼です。お住まいの内部はもちろん出入りするためお庭もバリアフリーを第一に考えました。使いやすさももちろんのことですが、毎日行き来するだけでも楽しい気分になれるような、そんなエクステリアをデザインしました。
特殊な敷地上にあるお住まいですが、プライバシーのみを重視してデザインウォールを造作するとどうしても圧迫感を感じてしまいます。そこで、LIXILのプラスG、デザイナーズパーツを用いてデザインウォールの代わりとなる仕切りを設けました。縦のラインのみで構築されたファサードは角度によっては奥が見えないデザインなので、プライバシーと圧迫感の軽減の両立が果たせています。
見どころとなるポイントはシャイングレーと柿渋のコントラストが美しい門扉周辺です。門扉は取っ手が扱いやすいものを選択し、少しでも移動しやすいように配慮しています。親子扉なので普段は大きい親側の扉のみを開閉します。左側の擬石を貼ったデザインウォールは金物が多めのファサードにおいて自然の温度が感じられるワンポイントとしてプラス。デザインウォールのすぐ裏に背の高い植栽を植えることで、隠し過ぎない目隠しとしての効果も期待できます。
アプローチは長い距離を緩やかなスロープで造作し、移動のしやすさを第一に考えました。手すりもしっかりと玄関扉のすぐ前まで伸び、バリアフリーは万全です。タイルは雨の日でも滑りにくい、ザラザラした表面のタイプを採用しました。
アプローチの左側に位置するガーデンスペースも出入りがしやすいよう段差を極力なくしてデザインしてあります。メインガーデン部分は細かい化粧砂利を敷き、万が一転んでも安心です。
日が落ちるとファサードに仕込まれたライトが一斉に光り出します。プラスGで作った梁の下部にはダウンライトが取り付けられており、門まわりの要所を優しく光で指し示してくれています。
DESIGN POINT 2「静」を感じさせる癒やしの庭
ガーデンスペースのコンセプトは「眺める庭」です。お住まいになる方の年齢層、お体の状態を考え、癒やしを感じられる温かな色と緑を融合させました。「眺める庭」の中では時間がゆるやかに流れています。
ガーデンスペースのフォーカルポイントは自然石平板を用いてつくった飛び石です。自然素材メインでつくつくられた空間は、ここが都会の一角であることを忘れさせてくれます。
ガーデンスペースのライトは足下に集中させています。歩行の際の安全をカバーする働きはもちろんのこと、光源が目から遠い位置にあるので刺激を受けずリラックスしてゆったりとしたひと時を過ごせます。
春先に車椅子で生活することになった母の為に急遽実家で新築することになり
家の設計段階からバリアフリーの外構の設計もなんとなく考えていておおよその
千面配置はきめていたものの「あまり面白味がないなぁ」と我ながら思っていました。
夏に本気で外構をきめなくてはと思い癒樹工房さんにご相談した次第です。
ご担当の庵谷さんと打ち合わせていただき。こちらの要望を伝えたところ、その2週間後には
自分の想像の域を超えた素晴らしい2案をご提示いただきました。
どちらも斬新な良い案だったのですが自分の「好み」とは、ちょっとちがうところもあり、わがままながら図面のやりとりと意見交換を何度か行い秋にはようやくお互いが納得する外構設計図が出来上がりました。外からはオープンな雰囲気を残しつつ内側のプライバシーはまもりたいという矛盾した思想を備えた都内の戸建て住宅です。
全面にGフレームデザイナーズパーツ、デザイン格子を使用することで上記は解決しました。
「面白み」がないと自分で思っていた前面擁壁は平面上凹凸の付いたデザインの擁壁を配置し
建物の色に合わせてアクセントに黒のタイルを使いメリハリをつけてくれました。
今回、信頼の出来るかつセンスの良い庵谷さんと知り合えたこと。
質の高い技量をもった職人さんがきちんと仕上げてくれたことに感謝しています。
本当にどうもありがとうございました。
1級建築士 1級造園施工管理技師 杉山