生活必需品とも言えるエクステリアのアイテム、ポスト。近年ではエクステリアのデザインや送られてくる郵便物・配達物の多様化によって様々なタイプのポストが求められ、販売されています。家を訪れる方が目にするアイテムなので、デザインや家・庭の外観ともマッチしたものを優先しがちですが、見た目を重視し過ぎると使い勝手が悪くなる場合もあります。
ここでは、ポストの種類や各エクステリアの外観・生活スタイルにマッチしたアイテムの選び方、ポスト周りにプラスしたいワンポイントをご紹介します。新築の際だけではなく、リフォームの際にもポストを意識し、機能面・デザイン面の向上を目指していきましょう。
ポストの種類、設置位置・プランニング
ポストは大きく分けて3つの形状のものが主流となっています。それぞれ形状に沿った特徴やメリット・デメリットがありますので、エクステリアのタイプ、生活スタイルにマッチしたベストなポストを選びましょう。
埋め込みタイプ
門袖壁や門柱などに埋め込むタイプのポスト。この埋込み型ポストは前入れ後ろ出しタイプとも呼ばれ、外壁の内側から郵便物を取り出せるので郵便物の盗難を防げるメリットがあります。外周を塀や壁で囲むクローズドタイプのエクステリアにおいては、郵便物を取り出す際にポストの前側まで行かずに済むので前入れ前出しタイプのポストよりも動作が楽になります。難点としてはポストを埋め込む壁が玄関から離れている場合、天候によっては郵便物を取りに行く際に風雨にさらされるデメリットがあります。
埋込み式タイプは昔からある口金(差込口)タイプと大型のものを埋め込むタイプとがあり、大型は開口部が大きく作られているので、郵便物が多いご家庭、通販の商品をよく注文するご家庭では重宝されるでしょう。
デザインは多岐にわたり、ステンレス製のシルバーな色合いから白・黒のシンプルなものや、門まわりのフォーカルポイント(見どころ)となるようなカラフルな色合いのタイプまである。同じメーカーのものをチョイスすればインターホンカバーや表札とデザインを合わせることが出来、門まわりに一体感が生まれる。
壁掛けタイプ
壁掛けタイプのポストの一番の特徴・メリットは、どんな壁面にも取付可能なのでどのようなエクステリアデザインにも左右されないフレキシブルな設置が可能という点です。
埋込み式タイプはその名前の通り埋め込む先、つまり壁が必要になりますが、壁掛けタイプなら壁がなくても大丈夫です。前庭にスペースがない場合は玄関ドアのすぐ隣に取り付けることでドアを開けばすぐ郵便物を取り出すことが可能です。
反対に、玄関のすぐ側まで不特定多数の人に入ってほしくない場合は、玄関から遠い位置の道路境界線近くのフェンスや塀などに取り付けることで郵便物を入れる人は敷地内に入ってくることはなくなります。ドアの近くに取り付けて利便性を優先させるか、ドアの遠くに設置してプライバシーを確保するかは設置前にご家族でベストな位置を相談しましょう。
デメリットとしては壁に掛ける性質上どうしても薄いデザインのものが多いので沢山の郵便物を入れることは出来ません。ですので、海外旅行など長期に渡り家を空ける場合は前もって新聞などを止めておいたほうがいいでしょう。また、玄関から遠い場所に前入れ前出しタイプのポストがあると郵便物を盗難される可能性も出てきます。万が一の事を考えるならば、鍵付きのタイプを選択するほうがベターと言えます。
ポールタイプ
地面に埋め込んだポールにポストを取り付けるポールタイプのポストの特徴は、壁掛けタイプ以上に設置場所を選ばないというところです。独立したポールに取り付けるので、ポスト設置に適した壁がなくても任意の場所に設置が可能なので、壁などの構造物がない・作りたくないというお庭には持って来いの商品と言えるでしょう。
ただ、セミクローズ、クローズド外構のようにすでに壁が多くあるお庭では特徴である独立性が目立たないので、お庭との相性もよく考えて商品を選択しましょう。
最近よく選ばれている機能門柱もこのタイプに分類されます。機能門柱はポスト以外にも表札、インターホン、門灯など、門まわりに必要なアイテムを全てカバーしているタイプも多いので、門まわりにスペースがないご家庭、すっきりとした外観がお好みの方におすすめです。
人気のポストのタイプ5選
ポストも表札と並び、家の顔になり得る存在です。訪れる方が必ず見る門まわりを彩るアイテムは住む人を連想させることにもなりますので、家や家人の雰囲気とエクステリアのデザインがうまくマッチするようなポストを選びましょう。ここでは、ポストを大きく5つのタイプに分類しましたので、あなたの家のエクステリアに相応しいポストのヒントにしてみてください。
ステンレス系
どのメーカーも一番種類を出しているタイプのポストです。劣化に強く値段も安くバリエーションも多彩、現在のポストのスタンダートといえる存在でしょう。フォルムは大型の場合はシンプルなスクエア型がよく使われ、口金タイプの場合はステンレスの美しさが際立つような加工をしています。シンプルモダンや色味を抑えたエクステリアにおいて、美しい存在感を放つでしょう。
ロートアイアン系(スチール、ブロンズ)



洋風な外観の家にぴったりハマるデザイン性の高さが魅力のポストです。サビや劣化を防止するため、本当の鍛鉄ではなくスチールやブロンズで作られたものが主流です。
金属の無骨な雰囲気を出すために角ばったもの、植物や動物をイメージしたもの、バッグや家具など生活用具を模したものなど、金属の重さを感じさせない可愛らしい雰囲気のタイプが多く支持されています。
陶器系(FRP)


焼き物を模したフォルムのFRP(強化プラスチック)素材を用いたタイプのポストは、独特の柔らかい雰囲気がありナチュラルモダンからシンプルテイストの家・エクステリアにもマッチします。
焼き物を再現した表面から感じ取れるナチュラルな雰囲気が門まわりをさり気なく引き立ててくれます。強化プラスチックは高い耐久性を誇り汚れにも強く表面のクリーニングもし易いので、長年風雨にさらされても変わらない美しさを見せ続けてくれます。
ウッド系

本当の木材から人工木、アルミ材の上に木目調のラッピング加工を施したものまで素材は様々ですが、木目から醸しだされる自然の雰囲気は、緑豊かな門まわりにピッタリのアイテムです。ナチュラルテイストな門まわりはもちろん植栽のないシンプルモダンなお庭に、自然の優しさをプラスさせるために配置するのもいいアイディアでしょう。
自然を思わせるアイテムは周囲のデザインに上手く溶け込み、いつまでも飽きのこないアイテムになり得るはずです。
カラフル系



ビビッドなカラーからシックな色合いまで幅広い色彩をカバーするこのタイプは、色や形の選択によってどのようなお庭にもマッチします。あまりに派手すぎるものだと長い年月が経った後でマンネリや飽きに繋がる可能性もあるので、将来の自分の心境を予想したり周りのエクステリアの雰囲気をよく考えてからカラーを選びましょう。
ポストに関連するワンポイントアイテム
郵便物を入れるのが主目的であるポストですが、ポストの周りをアイディアで彩ることでポストにデザイン性が更にプラスされてより一層ファサードに愛着が持てることでしょう。ここでは様々なポスト周辺のアイテムの一部をご紹介します。これからご新築の準備をされている方、大規模なガーデンリフォームを考えている方は是非取り入れてみてください。
ポストカバー
シンプルで無機質な口金式ポストも、ポストカバーをつけることでイメージはガラリと変わります。陶器をデザインしたものからウッドテイストのものまでラインナップは多岐にわたり、お庭の雰囲気に合わせたコーディネートが可能です。
基本的に壁に取り付けるものなので、ポストを施工した後にも取付できます。ファサードになにか新しい雰囲気を取り込みたい場合は是非おすすめのアイテムです。
インターホンカバー、門灯
大人気のポストは同じデザインでインターホンカバー、門灯をデザインしている場合があります。それぞれ違うメーカー、テイストのもので固めても素敵ですが、このように全て同じメーカー、カラー、デザインだと門まわりに統一感が生まれますね。
ポストのデザインに惚れ込んだら、門まわりの関連アイテムも探してみてください。きっとあなたがいつまでも大切にしたいファサードが出来上がるでしょう。
宅配ボックス
不在時でも荷物の受け取りが可能な宅配ボックスは、一昔前は4ケタの暗証番号で蓋を開け閉めするシンプルなものでした。それ故いたずらの心配も拭えないものでしたが、最近の宅配ボックスは今までのものとは一線を画します。
最新機種のタイプは不在時でも荷物を受け取り、受領印まで押印が出来るのです。宅配ボックスに入れて扉を閉めると一回だけ捺印が可能なギミックを搭載しているので、宅配便はもちろんのこと、ポストに入らない大型の荷物も受け取りが可能。電源不要のため住宅の壁に後付しやすく、電池切れの心配もありません。
防犯上の理由や、子供だけでの留守番等、他人の訪問に対してドアを開けづらい状況も多くある現代。利便性に優れているだけなく、安全面においても必須アイテムと言えるでしょう。
まとめ
近年様々なデザイン、ギミックのポストが多く世に出ています。生活する上で必ず必要なアイテムなので、妥協せずご自身の好みやエクステリアの雰囲気にマッチしたものを選びましょう。
また、生活スタイルや家族が増えることも念頭に入れ、大きなタイプが必要かなと思った場合は1サイズ大きめのものを選んでみてもいいかも知れません。
壁掛けタイプ以外は壁や床面に埋め込むので使い勝手が悪く感じたとしても、容易に取り替えは出来ないからです。毎日のように使うポストですから、長く愛せる一品を見つけましょう。