新しく住まいを建てたりリフォームで玄関まわりを変えた時など、新しい環境に応じて我が家ならではの表札を取り付けたい、という方も多いと思います。サイン、ネームプレートと様々なネーミングがある表札は、それだけエクステリア商材を取り扱う各社が毎年沢山の新商品を出す人気アイテムの1つです。個性的な建物やお庭が増えてきた昨今、表札もその流れに乗って多様な外観のものが増えてきています。
ここでは、小さな存在ながら家全体の印象に大きく影響する表札のプランニングや選び方のポイントをお伝えします。どんなお客様でも必ず目にする表札、あなたの家に相応しい物を選びましょう。
設置場所、プランニング
表札を取り付ける場合、エクステリアのタイプによって取り付け位置は変わってきます。お庭のデザインや家人の好みによってベストな表札の場所はそれぞれですので、まずはどんな表札を選ぶかよりどこに設置するかを探っていきましょう。
オープン外構における表札の位置
オープン外構とは道路と敷地を隔てる壁やフェンスのないすっきりとしたデザインの外構スタイルです。アメリカに映画に出てくるような、前面が一面芝生でアメリカンポストがちょこんと道に沿って立っているという感じを想像されると把握しやすいでしょう。
どこかしらの壁面に取り付けるのが通常の設置方法である表札は、このオープン外構の場合は玄関のドアの隣につけるのが基本になります。表札に合わせてインターホンやポスト、門灯も付ければそれで一式揃い、とてもコンパクトにまとまります。しかしながら前述のとおり、昨今ではプライバシー、セキュリティ面を重視する声も多くなってきています。全く知らない人が敷地内に入ってきて精神的な圧迫感を感じてしまうケースもあるかもしれませんね。その場合は、敷地境界近くに独立したポール等を立て、そこに表札やその他のアイテムを取り付けるのも手です。
そうすればその家に用がある人は必ず表札前でストップし、玄関前まで進んでくる人を選定する事が出来ます。最近ではそれらのアイテムを1つにまとめた機能門柱もたくさん種類が出ているので、機能門柱1つで悩みが解決する場合もあります。ただ、この設置方法だとポストも玄関から離れた場所にあるので、郵便物を取るのも手間がかかります。なかにはポストだけを玄関近くに設置する方もいらっしゃるので、デザイン、利便性、セキュリティ面を意識しながらベストな位置を考えましょう。
クローズド外構における表札の位置
家の周りをぐるりと壁で囲むタイプのクローズド外構は、表札ももちろん門まわり周辺1択です。玄関から距離のある門扉の隣に表札やその他のアイテムをまとめてセットすれば、安全面では憂いはなくなります。
ただ、家の内部から訪問客の様子が伺えない場合もありますので、インターホンのカメラの角度は予め把握して、場合によっては撮影する位置を直しましょう。また、ライトが無いと夜間の訪問客にとって表札の視認性が下がるので、ライティングの充実も必須項目と言えます。
取り付ける表札のベストな高さ
エクステリアのタイプを問わず、設置する高さも重要な項目です。極端な高さ低さの位置を除けば、どんな高さにセットしても間違いはありません。表札の第一の役目はその家の家人の名を知らせることなので、視認性が損なわれなければ神経質に高さにこだわらなくても大丈夫です。
ただ、一つの指針としては、表札とペアで設置されやすいインターホンから高さを算出することもあります。設置するインターホンの天端(構造物の最頂部のこと)は地面から1.3〜1.4mがベストと言われています。この高さがお子様から背の高い大人の方まで、広角レンズで顔を確認できる位置だからです。ですので、そのインターホンに合わせて設置してみるのもデザイン上美しくなるでしょう。
他の構造物やラインなどのデザインと合わせて、インターホンの上に設置するなら表札の天端は1.5m前後になるでしょうし、インターホンと横並びにするならば1.4mほどです。
表札の位置、高さを決める場合はインターホンの位置を決定してからの方が無難と言えます。
人気の表札ベスト5
表札は訪れる人誰もが注目する、言わば家の顔です。どのような家にも表札は必ずあり、それだけに表札は家や住む人を想像させる大切なアイテムなのです。ここでは人気の表札を写真とともにご紹介していきます。あなたの好みとエクステリアの雰囲気がマッチするような「顔」を見つけ出しましょう。
ロートアイアン

洋風な外観の家にぴったりハマるデザイン性の高さが魅力の表札です。サビや劣化を防止するため、最近ではアルミ製のものが主流になりつつあります。ゴシック体から流線型などのフォントや、植物や動物をイメージしたもの、色とりどりのガラスを散りばめたものなど、アイアンの重さを感じさせない可愛らしい雰囲気のタイプが多く支持されています。
ステンレス


どのメーカーも一番種類を出しているタイプの表札です。劣化に強く値段も安くバリエーションも多彩、現在の表札のスタンダートといえる存在でしょう。フォルムはシンプルなスクエア型がよく使われ、デザインは他の素材と掛けあわせたもの、ドライエッチング加工、シルク印刷、切り文字といった様々な表情を見せてくれます。
アクリル

アクリルも種類が増えてきている注目の素材です。ガラスと同じく透明で、塗装や装飾がダイレクトに可能という点がデザイン性の高さを生み出しています。デメリットとしては傷がつきやすいので、メンテナンスの際はマイクロファイバー製の布を使って優しく拭きましょう。文字の加工方法はカラープリントやカッティングシールがよく使われます。
ガラス

透明感と光の当たる角度によって様々な表情を見せてくれる素材です。他の素材、鉄や石製のものに比べて明るく軽やかな雰囲気が特徴です。江戸ガラスや琉球ガラス、小樽ガラスといった様々なガラスが表札化しているので、ガラスの美しさの差異を見比べると愛着の湧く一品が見つかるでしょう。文字の加工方法は、サンドブラスト加工やカッティングシールが一般的で、最近ではステンレスなどの異素材を組み合わせたタイプも人気になってきています。
陶器(セラミック)


焼き物、陶器、磁気などの素材を用いたタイプの表札は、独特の柔らかい雰囲気があり洋風から和モダンの家・エクステリアにもマッチします。焼き物特有のナチュラルな雰囲気が門まわりをさり気なく引き立ててくれます。セラミックは商業施設の床面などでも多く使われるほど高い耐久性を誇るので、長年風雨にさらされても変わらない美しさを見せ続けてくれます。
ちょっと変わったワンポイントアイディア
門まわりのベーシックなアイテムといえば表札、ポスト、インターホンに門灯が基本ですが、それらに少しアイディアを加える事でファサードのイメージがすっきりとした雰囲気に変わります。これらを取り入れてエクステリアのデザインにアクセントをプラスしてみてはいかがでしょうか。
インターホンカバー

門灯兼用表札

デコレーションパーツ


ロートアイアンで作られた可愛らしいシルエットのデコレーションパーツは、表札回りに動きとストーリー性をプラスしてくれます。一目しただけで、ここに住まう人の好みがよく分かる一品です。猫や犬を形どったものからツタ系植物まで、デザインは多岐にわたります。
まとめ
表札はほかのエクステリア商品に比べてとても小さなアイテムですが、家や家人の印象を決める大切な存在です。好みのデザインだからという理由だけで選ばずに、外構の造り、エクステリアのデザインから逆算し、最適な表札を最適な場所へ設置しましょう。
※レイアウトのサンプルはどうしても決められない、甲乙つけがたいもの3つまでを作成依頼しましょう。それ以上のサンプルがあっては、却ってどれがベストなものか判断しづらくなり、間違った選択をしてしまうおそれがあるからです。