ウッドデッキといえばリビングルームに直結するようにフラットに作って、そこで家族や友達と団欒を楽しんだりガーデニングに勤しんだり・・・そんな設置場所、使い方が一般的ですが、人がウッドデッキを欲しがる理由はまさに様々、千差万別です。こんなふうにウッドデッキを使いたいけどほかにやっている人を見たことがない、この要望って普通なの?と思っているだけでなかなか計画や実行に移せない方もいるかも知れません。
ここでは、各家庭の事情・要望に合わせたオリジナルのウッドデッキの施工例をポイントを踏まえながら見ていきましょう!
ウッドデッキに家族のこだわりをプラス
お住まいの形状やご家族の好みは各家庭で千差万別、色々な希望や悩みがつきものです。ウッドデッキはそれぞれの希望に沿って形を変え、その家独自のウッドデッキとして生活に溶け込んでいきます。ここでは一般的なウッドデッキにアクセントを加えた事例をご紹介します。
茶室の外に広がる和テイストなウッドデッキ

茶道をたしなむ施主様は、日本古来の美しさと近代的な美の融合をお庭に求めていました。茶道の世界ではお庭のことを露地と呼びます。この露地には道の作り方や作っていいもの・いけないものなど様々な決まり事があります。変形的な敷地の中、茶道の決まり事を守りながら、ウリンのウッドデッキを大きくデザインし、上空をLIXILのプラスGで作ったゲートを走らせたお庭はまさに古今の日本の美が融合を果たしています。
露地の主役はリビングと茶室をつなぐ大きなウッドデッキです。もともとのお庭の大部分を占めていたウッドデッキも、天然木を使った本格的なウッドデッキに取り替えました。使用した木材はウッドデッキの材料の中で最も使用されているハードウッド、ウリンを使用しています。30年以上の耐久性があり、メンテナンスをしなくても腐らない人気の木材です。
ウッドデッキの下は雑草対策のために真砂土を使用しました。施工するとコンクリートのように固まるこの素材は、土なのでもちろん浸透性もあります。そのため、雨の際も水たまりは出来ず地下へと染みこんでいき、ウッドデッキ下部の湿気の問題を解決してくれます。
お茶室への待合用として、ウッドデッキの中央奥寄りにはベンチが設置されています。ちょっとしたお茶も楽しめるこのガーデンファニチャーは、ウッドデッキと同じウリンで作られているので統一感もバッチリですね。
育ち盛りのワンちゃんに最高の環境を

新しい家族として迎えられたワンちゃんのために、お庭に新しくウッドデッキをプラスした例です。
お庭への出入り口となるリビングルームの掃き出し窓。ここにウッドデッキを造作することで、リビングからそのまま庭に出ることが出来るようになりました。お庭の土の面は全て天然芝で覆われているので、ワンちゃんも足を汚すことなくリビングとお庭を自由に行き来出来ます。
ワンちゃんの肉球はたくさんの神経が集中した大切な器官なので、タイルデッキのように固い床面ではワンちゃんの健康を阻害してしまう恐れがあります。ウッドデッキを選択することで過度な衝撃が肉球を痛めることもありません。木目は滑り止めにもなり安心ですし、ハードウッド製なのでささくれが出来てけがをする心配もありません。
ウッドデッキに最適のアイテム、ウッドフェンスもワンちゃんの脱走防止用に高めに設定し、ロートアイアン製の門扉もプラス。フェンスの下を掘れないようにレンガでラインを設けているのも見逃せないポイントです。天然木のウッドデッキを中心としたドッグガーデンは、育ち盛りのワンちゃんにとって最高の環境のようですね。
ウッドデッキにガーデンシンクを取り入れてアウトドアリビングに

ウッドデッキに広い流しが使いやすいオリジナルのガーデンシンクを据えて、アウトドアリビングに変化したお庭をご紹介します。
ウッドデッキは玄関からの動線と主庭の半分を覆うように広く作り、移動しやすさと過ごしやすさを追求しています。段差があるお庭は階段を設けて解消するのではなく、ウッドデッキ自体を一段下げてローデッキにすることで、フレキシブルな使い方を実現。
爽やかなブルーが美しいオリジナルのガーデンシンクは自然石の平板で作った台や収納庫もあるので、使い勝手は抜群です。椅子やテーブルを並べれば、ご家族やお友達ですぐにでもバーベキューが開始できる環境がそろっています。やはり、お庭でパーティーを開く際に一番必要になるのはガーデンシンクですね。
平面を彩るウッドデッキに合わせてフェンスや物置も木で合わせているのが、お庭全体をナチュラルテイストに仕上げてくれています。自然を感じさせてくれるウッドデッキには、やはりウッドのアイテムがよく似合います。
生活の一部に組み込まれたウッドデッキ
ウッドデッキは主庭に位置するアクティビティのアイテム、という位置づけには納まりません。道路から玄関の間の人が通る動線の中に組み込んだり、目的物に向けて延ばして作ることで道としても使用が可能です。普段使いの何気ない通路も、ウッドデッキで構築されていると不思議と楽しい気分で行き来ができると思います。
玄関を優しくカバーするウッドデッキ×ハイデッキ

敷地内の高低差がかなりあるお住まいの場合は、思い切って玄関前にウッドデッキを配置することで、段差解消になるとともにアメリカンな雰囲気をプラスすることが出来ます。
このお宅のウッドデッキはガーデンアイテムとしてではなく生活の一部としてウッドデッキを使っているので、ステップの幅はとても広くとっています。小さなお子様の転落防止用のため、ウッドデッキをぐるりと囲うウッドフェンスもガッチリとした骨太な作りになっています。
何よりも印象的なのは、玄関前のウッドデッキに合わせて作ってあるハイデッキです。二階のバルコニーとして造作されたハイデッキは、外から見ても印象度満点のデザインですね。一階のウッドデッキは毎日期のぬくもりを感じさせてくれる身近な存在として、二階のウッドデッキは玄関前では味わえないプライベート空間として、二通りの使い方が楽しめる贅沢なデザインです。
ウッドデッキを雨に濡れない通路として活用

上から見るとまるでL字のような敷地のお宅では、ウッドデッキを長く伸ばして通路のように活用しています。もともとの土地に家の裏側の土地を組み込んだ敷地は、いまいち全体的な統一感が感じられません。そこで、ウッドデッキをまさに架け橋として長く延長し、2つの土地につながりを持たせたのです。
伸びたウッドデッキの終着点はシンボルツリー、自然を身近に感じられるデザインになっています。上空は隣接してあるカーポートを横に延長させることで、雨からウッドデッキをカバー。日除けもあるので、夏の暑い日も過ごしやすいですね。
ウッドデッキを起点に生活の不便を解決
通路が細く段差があるお庭、立地条件の関係でゆっくりくつろげないお庭、住んでから分かる様々なお庭の不便な事情・・・これらもウッドデッキや関連アイテムを駆使することで、意外なほど簡単に解決できることもあります。ウッドデッキをはじめとするお庭の各アイテムは想像の数だけ形を変えて各御家庭のお庭に便利さと快適さを与えてくれます。
自由自在にデザイン可能なフェンスでウッドデッキをプライベート空間に

せっかくウッドデッキを作っても、家の前はなんとバスの停留所。朝晩必ず行列ができるほど人の視線が行き交う場所では、お庭にせっかく作ったウッドデッキもなかなか使う機会に恵まれません。そんな問題もLIXILのプラスGによって解決しました。パネル材からフェンス材まで様々な部材で自由なデザインが可能なプラスGでウッドデッキを中心にお庭全体をカバー、人の視線をしっかりカットしお庭の中からはまったく気にならなくなりました。
囲いすぎると圧迫感を感じて却って使いづらくなってしまいますが、ウッドデッキの前は細い縦桟のフェンスとシンボルツリーで優しくカバーしてあります。これならば圧迫感は感じませんし、縦桟は角度によっては奥が全く見えなくなる効果もあるので、一石二鳥のアイディアですね。
プラスGの屋根材もウッドデッキ上に組み込んで視線からも雨からも守られたウッドデッキは、ご家族の憩いの場として活躍しています。
細く狭いバックヤードをウッドデッキで底上げして使いやすく

前庭を大きくとったために、家の裏の敷地が狭く使いづらいお宅は結構ありますよね。家と隣地に挟まれて日が当たらずジメジメし、出向くのは角に置いた物置に用があるときだけ。そんな残念なバックヤードも、ウッドデッキが解決してくれます。
地盤を改良、雑草対策を施した後は家の掃き出し窓に高さを合わせてウッドデッキを設置します。細い裏庭に行くのが億劫な理由は、狭い空間と段差です。その段差を解消するだけで一気に裏庭の雰囲気は変わります。
裏庭全体をカバーする人工木のウッドデッキはスムーズな移動を実現してくれます。それだけでは機能的なだけなので、可能なスペースがあれば是非植栽スペースを設けましょう。窓から見える空間にピンポイントにシンボルツリーなどの見栄えのする植栽を植えることで、裏庭に美しさをプラスでき、愛でる楽しみも増えるでしょう。ライティングもあるとデザイン面だけでなくセキュリティ面においてもいいでしょう。
まとめ
お庭のサイズはもちろん周囲の環境、家族の趣味によって、ウッドデッキがお庭に生み出す効果は違ってきます。ウッドデッキを作る前なら、お庭にウッドデッキを作って何がしたいのか・何が出来るのか、ウッドデッキを作った後ならば、どうすれば・何があればウッドデッキをより使いやすい環境に変えられるかをよく考えてみましょう。
自分の気持ちがはっきりすれば、自ずとアイディアは生まれてくるはずです。たくさん考えて、100%満足のいくウッドデッキを手に入れてくださいね!