皆さんこんにちは!
敷地の外から玄関まで続くアプローチは、建物と同じくらい家の印象を左右するものです。お宅によって、敷地の面積や玄関までの奥行は様々ですよね。限られたスペースで、デザイン性のあるエクステリアは難しいと思われるかもしれません。しかし、使う素材や動線に変化をつけて空間の切り替えをすることで、素敵なアプローチが出来るんですよ。
今回は、旗竿地や狭窄地など様々なアプローチの施工例を5つご紹介します。限られたスペースへお客様のこだわりを詰めたアプローチは、建物と共に家の大切なデザインになっています。
動線を曲げたアプローチで隠れ家的なレストランにリフォーム
建物のサイドをマンションとアパートに挟まれている小栗様邸。イタリアンレストランを営んでおられます。以前は砂利敷きの駐車場だった前庭を、駐車スペースも兼ね備えたアプローチへとリフォームしました。
コンクリート敷きの駐車スペースには、ピンコロ石で門までの動線を造作し、訪れたお客様を誘導します。アプローチの動線を曲げているので、視覚的に奥行を感じるんですよ。門はクリーム色のデザインウォールで、両サイドの建物の陰になりがちなアプローチを明るくしていますね。
門の正面には店名が書かれたデザインウォールがあり、建物の入り口が見えません。動線を90度曲げたアプローチは、隠れ家に来た様な雰囲気を演出します。また、床面は石畳に変わり、駐車場との空間を切り替えています。石畳の通路のサイドには低い植栽を、コーナー部分には背の高い植栽を設置し、訪れる人の目を楽しませてくれます。計算されて植えられた植栽は、アプローチのアクセントになりますね。
夜間には、植栽下のアッパーライトやポールライトが通路を柔らかい光で照らします。昼とは違う雰囲気になり、訪れるお客様も増えたそうです。
建物に合わせた大きな3連のゲートが印象的なアプローチ
人工芝を敷いたドッグランの横を通る志村様邸のアプローチは、建物に合わせた大きな3連のゲートが印象的です。敷地の外からは玄関が見えず、90度に曲がるアプローチが目隠しの役割をしています。
ドッグラン横のアプローチは、サイドに黒のピンコロ石を敷き、床は洗い出しを施工しました。洗い出しはデザイン性が高いだけでなく、雨の日には滑りにくい機能性も持っています。
ドッグランを眺めながらアプローチを進むと、視界が広がり玄関が目に入ります。また、床面はタイル敷きに変わり、空間の切り替えがされていますね。アプローチのサイドには、高さの違う植栽を配置して、様々な表情を見せてくれます。
タイル敷きのスリットには人工芝をあしらい、ドッグランのお庭との統一感が生まれています。タイルや石敷きの無機質な雰囲気を柔らかくしていて素敵ですよね。
夜になると、様々な場所に設置されたポールライトとゲート上のライトが優しい光で照らします。夜間の安全面と防犯性を高めるライトは、暗い場所や死角ができない様な配置が重要なんですよ。
25mのアプローチは床面の素材変化でこだわりのデザイン
道路からの出入り口部分が狭く、奥行25ⅿの細長い通路の先に建つ栗田様邸。ヨーロッパの街並みにでてきそうな白いお宅が印象的です。細長い通路は、駐車スペースとして利用されることが多い中、デザイン性の高いアプローチを造作しました。
駐車スペースはシンプルなコンクリート敷きで、脇のスペースには薄い色のレンガを敷きました。真直ぐに伸びるレンガの道が、表札の設置されたデザインウォールまで目線を運びます。足元が薄いレンガから濃い色のレンガに変わると、2段の階段を上りデザインウォールが立つスペースへ。濃い色のレンガは耐火レンガを使用し、建物のアンティークな雰囲気に合っていて素敵です。
耐火レンガの曲がった小道を抜けた先には、洗い出しで造作された階段を上ります。階段の最上段は、グランドピアノのデザイン。栗田様ご夫婦の趣味である音楽を取り入れた、こだわりのアプローチです。
細長くてスペースが限られたアプローチも、素材の切り替えや動線を曲げることによって変化を付けることができます。人が通る以外の場所には、花壇を設けてガーデニングを楽しめるスペースもありますよ。
段差のある場所へライトを設置し、夜には見えにくい場所を明るく照らします。デザイン性と機能性が兼ね添わったアプローチですね。
格子状の門扉を開けると玄関まで続く和風の小路
旗竿地に建つ近藤様邸は、駐車スペースから玄関までは細い通路を通ります。アプローチは、駐車スペースと通路を2つに区切り、格子状の門扉を施工しました。駐車スペースには、黒の乱形石とピンコロ石で門扉と統一感のある和モダンな雰囲気になっていますね。コンクリート敷きのスリットを太くとり、白い石を敷くと明るさも演出します。
門扉の横には、花壇を造作し株立ちのボリュームのある木を植えました。門扉の和モダンな雰囲気と調和した木は、シンボルツリーとして玄関の顔となっています。
門扉を抜けると、2つのゲートが目に入ります。玄関まで続くコンクリート敷きの細アプローチは直線ではなく、古い町並みの小路を抜ける様な少しくねりを入れて変化を出しています。
日が落ちると、アプローチは光に照らされて昼とは違う雰囲気です。シンボルツリー下のライトが下から光を散らし、ゲート上のライトが玄関先まで光で誘導してくれます。
シンプルで無駄のないスタイリッシュなアプローチ
建物と調和したデザインのアプローチとなった鬼澤様邸。広い間口のシンプルな空間が、デザイン性の高いエクステリアへと変化しました。
敷地の外からまず目に入るのは、3地点から柱が立つ木目ゲート。あまり見たことのないこのゲートは、鬼澤様邸のリビングにある木の梁をイメージして施工されました。また、建物に合わせて石を張った門柚壁がゲートと共に目線を引く存在になっています。敷地外から玄関が見える鬼澤様邸ですが、存在感のあるゲートと門柚壁によって直接的な目隠しがなくても、目線を外すことができます。
敷地外から続くアプローチの床面には、艶のある黒の乱形石とグレーの方形石を使用しています。90度に2回曲がるデザインは、視覚的に奥行を感じさせてくれますよね。また、建物の雰囲気に合った、高級感のあるデザインになっています。
門柚壁の周りには、高低差のある植栽をバランスよく設置しました。無駄なものがそぎ落とされたデザインは、スタイリッシュで素敵です。
夜には、ゲート上に付けられたライトや門柚壁を照らすライトで、人の動線を照らします。防犯性を高めるだけでなく、建物とアプローチの雰囲気にあったライティングですね。
アプローチはデザインだけでなく、目隠しや防犯性などの機能も忘れてはいけません。ご紹介したアプローチの施工例は、夜や雨の日でも歩きやすい機能性を備えています。その他にも、スペースを活かしたアプローチの施工例がHPにありますので、参考になさってくださいね。